「本丸さーん、宅配便です」
「はいはーい。ごくろうさまです」
堀川が受け取った荷物は審神者宛てだった。それほど重くはなく、品名は衣類となっている。しかし「本人以外開封厳禁」のシールが貼られていた。単なる衣類なのに妙だなと思いつつ、堀川はその荷物を審神者の元へと運んだ。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*
注文から二週間。海外製のブツがようやく届いた。これは俺からいつも頑張っている長谷部へのプレゼントだ。長谷部に似合うと思って、色は清楚な白をチョイスした。アクセントで長谷部の瞳と同じ藤色の小花があしらわれているデザインだ。きっと気に入ってくれるだろう。
どうして長谷部にプレゼントを? と思われるかもしれない。当然ながら刀剣男士に誕生日というものは在って無いようなものだ。鍛刀された日だったり銘を入れられたり、本丸に来た日だったり、それらしい日はいくつもあるのだが、”この日”と決まった日は無い。だからこれは誕生日プレゼントなどではない。ただ、俺が個人的に長谷部に贈りたいから贈るのだ。
事の発端は、三週間ほど前になる。長谷部の秘密を俺は知ってしまったのだ。
長谷部は元々一人で湯浴みに行くことが多かった。本丸の皆が寝静まった頃に独りで風呂に入っている。書類仕事などが忙しいのがその理由だろうと思っていたのだが、実際のところそうではなかったらしい。長谷部には、他の刀剣男士には見られてはまずい秘密があったのだ。
その日、俺はたまたま友人と飲み会で、帰りが遅くなってしまった。ほろ酔いで本丸に戻り、さっと風呂に入ってとっとと寝ようと大浴場に行くと、先客が居たのだ。
脱衣籠には丁寧に畳まれたカソックとシャツが入っていた。あとガーターベルトも。なるほど先客は長谷部か。こんな遅くまで仕事をしてたのかもしれない。たまには背中を流してやろうと浴場に向かう途中、不覚にも俺は床に置いてあった脱衣籠に躓いてひっくり返してしまったのだ。
慌てて散乱した衣服を籠に戻していた時、見慣れないものを発見した。
それは、ブラジャーだった。女性のものにしてはアンダーが大きくカップが小さい、なんとも奇妙な形のブラだった。
「なんだ? これ……」
本丸に女性はいない。女装しているヤツは居るが、全員男だ。ブラを装着してほしくなるようなむちむち雄っぱいの刀剣男士も居るには居るが、彼らとはサイズが合わない。
(まさか……な)
俺はある可能性を考えた。
長谷部が装着している、という可能性だ。
涼しげに整った顔立ちのストイックな男が、ブラを着けている――でも、なんのために? 長谷部はブラを着けて出陣したり遠征に行ったりしているというのだろうか? あの禁欲的な衣服の下に女性ものの下着を身に着けている……そのことを想像しただけで、不覚にも俺はムラムラしてしまった。
結局その日は風呂に入らず朝風呂を貰うことにして、俺は部屋に戻るとさっそく男性のブラジャー着用について調べ始めた。
曰く、安心感を得るために、気を引き締めるために、装着する人が多いようだ。もちろん、理由は人それぞれである。だが、長谷部に女装嗜好があるとは聞いたことが無いから、女装に興味があるから身に着けているわけではないだろう。
どんなもんだろうかと通販サイトでメンズブラを見ていると、なかなか可愛いデザインのものが多い。フリルを使った物も少なくなく、色味もパステルピンクや白などが殆どで、ドギツい赤や黒のものは数えるほどだ。
通販サイトを見ていて驚いたのだが、ブラとショーツのセットもあるらしい。あの狭い面積に男のブツが収まるのかと不安になったが、そこは男性向けランジェリーを扱う店だから上手く作ってあるのだろう。
気が付けば、サイトの商品を着用しているモデルを脳内で長谷部に変換していた。
あの長谷部が、女性もののような下着を着けて恥じらっている……これはかなりクる。普段眉間に皺を寄せて「怠慢は許さんぞ!」などと言っている男の着けている下着が、可愛いレースのブラとショーツなのだ。
気が付けば、俺はその通販サイトでメンズブラとショーツのセットを注文していた。詳しいサイズは分からないが、下から2番目ぐらいのサイズで間違いないだろう。
そして待つこと2週間――
注文していたメンズブラセットが届いたのだ。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*
風呂の後に長谷部を自室に呼び出す。
「何か御用ですか?」
「ちょっと渡したいものがあるんだ」
「! すぐに参ります!」
内線で連絡すると、文字通りすぐに長谷部がやってきた。寝ようとしていたのだろうか、着流しを着ている。
「寝るところだったか?」
「いえ、まだ報告書が書きあがっていなかったので、もう少し起きているつもりでした」
「そうか。いや、いつも頑張ってくれてるから、長谷部にちょっとプレゼントをと思ってな」
「なんと……ありがたき幸せです」
嬉しそうにする長谷部に目を閉じるように言う。長谷部がしっかり目を閉じていることを確認して、俺は彼の手にラッピングしたメンズブラセットを乗せた。
「?」
「目、開けていいよ」
長谷部が目を開ける。
「中、見てみて?」
「では、失礼して――」
丁寧にラッピングを解き、中のブツを見る。そして、長谷部は硬直した。
「あ……主……?」
「どうした? 気に入らなかった?」
「あの、これは――?」
「長谷部がいつも着けてるメンズブラだよ」
俺がにっこり笑うと、長谷部の顔からみるみる内に血の気が引いていく。そして、しまいには
「主には……主だけには知られたくありませんでした――」
とポロポロと涙を零し始めたのだ。
さすがにこんな反応をされるとは想像しておらず、俺は焦った。
「な、泣くなよ~! 俺は、メンズブラもアリだと思うぞ? 人の好みはそれぞれだからな。俺は別に長谷部がメンズブラしてても、引いたりなんてしない。長谷部は俺の大事な近侍だ」
言って頭を撫でてやると、涙で顔をぐしゃぐしゃにした長谷部が鼻をすする。
「この間脱衣所で見ちまったんだよ……。籠に躓いてひっくり返しちまって――最初見たときはびっくりしたけど、結構可愛いのも多いんだな。別に下着はどんなの身に着けようが良いと思うぞ? それで気が引き締まったり、安心したりするってんなら、良いじゃないか」
「これを身に着けると、そうなんです……気が引き締まり、戦場でもよく動けるんです」
「長谷部の誉は、メンズブラの支えがあってこそだったんだな。でもあんな味気ないデザインのじゃなくて、もっと可愛いやつも着けてみたら良いんじゃないか? きっと似合う」
すると長谷部が「早速、着けてみても良いですか?」と袋の中から俺の選んだメンズブラを取り出した。
「もちろん!」
「では、失礼します」
するりと着流しの帯を解くと、それまで身に着けていた白い無地のメンズブラを外し、新品のものに腕を通す。少し上半身を前に傾けて背中のホックを留める仕草がやけにエロく感じた。
「どうだ?」
「いつものものよりも肌触りが良くて、しっくりきます」
長谷部が嬉しそうに笑う。白い肌にレースのブラがよく似合っていた。
「よく似合ってる」
俺が褒めると、少し顔を赤らめるのが可愛らしい。
「ショーツも履いてみたら?」
「ショーツはさすがに……」
「せっかくセットで買ったんだから、見せて?」
「……わかりました。では、少し後ろを向いていてくださいませんか? 目の前でショーツを履くのは恥ずかしいので」
言われたとおりに後ろを向く。
「良いですよ」
言われて振り返ると、そこには可愛らしい長谷部が立っていた。
しっかりと筋肉が付いている体に、白いレースのあしらわれたブラジャーと同じ柄のショーツを履いている。ショーツは少しキツかったのか、ブツが収まっているところはやけに膨らんでいてそれが非常にエロかった。
「キツかったか?」
「いえ、これぐらいのほうが俺は好みです」
決して豊満ではない胸に宛がわれた小さな布がいやらしい。見ているうちにだんだん変な気分になってくる。
「主?」
「なんかその……エロいな、その恰好」
そっと長谷部に近寄って腰を抱き寄せ、顎を掬って唇を合わせる。
「んっ!?」
長谷部が腕で体を押して抵抗してくるが離してやらない。長谷部の唇は薄くて、少しカサカサしていた。
「主……っ」
「もうちょっとよく見せて?」
半ば強引に長谷部をベッドに押し倒すと、優しくショーツの上から股間を撫でてみた。
「あれ? もう硬くなってる?」
「くっ……」
長谷部のそこはすでに緩く勃起していて、小さなショーツの中でどんどん存在感を増してきていた。
「感じてんの?」
「感じてなど――」
「その割には、ここ大きくなってんじゃん? やらしいな。可愛い下着着て、感じちゃった?」
ショーツの中に手を入れてチンポジを直してやると、立ち上がった長谷部の先端がショーツから頭を覗かせた。少し先端を弄ってやるだけで、ピクピクして可愛らしい。弄っているうちにだんだん愛しくなってきて、思わず亀頭だけを口に含んでみた。
「ひゃっ!?」
「あ、わりと平気かもしんないわ」
男のブツを舐めるなんて考えてもみなかったが、実際やってみると全然抵抗は無い。
尿道口を舌先でくじりながら吸ってやると、長谷部のモノはどんどん大きくなった。
先端だけを散々弄られるのが辛いのだろうか、長谷部が俺の頭をやんわり掴んで制止してくる。
「嫌か?」
「もう、それ以上されたら……イッてしまいます。気持ちよすぎて、辛い……」
潤んだ目で言う長谷部を抱きしめてキスをする。すると長谷部が俺の背中に腕を回してきた。
「主――好きです……好き、なんです」
「長谷部……」
優しく体を撫でていると、長谷部がむずがるような声を出しながら、腰をくねらせ始めた。
「どうした?」
「中……足りない……」
「中?」
「腹の中が、物足りないんです」
その瞬間、ぐるりと体が反転する。気が付けば俺は見事に長谷部に伸し掛かられ、体勢が逆転していた。
「ちょ、長谷部!? 長谷、んむっ!?」
貪るようなキスをされ、手早く服を脱がされる。長谷部は緩く兆していた俺のムスコに気が付くと、嬉しそうな溜息を吐いて俺の下着を一気に引き下ろした。
「ぎゃー!」
「大きくて、可愛い」
ちゅっちゅっと挨拶するように先端にキスをしてから、丁寧に裏筋を舐められる。根元から先端にかけて丁寧に。時々カリを小刻みにぺろぺろされれば、今まで感じたことの無い快感に腰が跳ねた。
「気持ち、いぃれふか?」
やけに慣れた調子で口淫される。刺激されれば勃ってしまうのは男の性だ。
長谷部は手を使わずに俺のムスコを舐めながら、そっとショーツの中に手を入れる。
「んぁ……ちゅむ、んむ……」
だが、自分自身を扱いている様子ではない。
「おまえ、何してんの?」
荒い息とくちゅくちゅという水音だけが聞こえてくる。
「え? もしかして……?」
体を起こして見れば、長谷部が自分の後孔を弄っているのが見えた。
「マジかよ……」
「ごめんなさい……ごめんなさい主……」
普段澄ました顔をしているやつがこんなにエロいとは思わなかった。
「よく見せて」
俺は長谷部の後ろに回ると、ショーツをずらして長谷部の指が入っているそこを凝視した。
つるっとしていて毛なんて一本も生えていない。少しだけ縦に広がっている後孔は、肛門というよりも性器の印象に近かった。指を2本銜え込んでヒクついている。
「気持ちいいの?」
「気持ち、いいです――でも、足りません」
「足りないんだ? ヒクヒクさせて、やらしいな」
ふうっと息を吹きかけると、長谷部が甘ったるい声を上げる。
「今の声、エロい」
「だって……」
ゆっくり指先を出し入れしながら長谷部がうらめしそうに振り向く。
「おしりの穴が感じるなんて、変態だな」
言いながら、2本の指をくわえているそこに俺の人差し指を挿入してやると、長谷部の腰が面白いほど跳ねた。
「あぁぁあっっ!」
「うわ、すげ……どんどん入ってく――」
ずっぷりと根元まで指を埋め込んで、うねる中を少しだけ掻いてやる。
「あ、あ、そこ! そこ、気持ちいぃ……もっと激しくしてください」
後孔から長谷部の指を抜き、今度は俺の指を2本突っ込む。簡単に俺の指を根元まで咥え込むと、長谷部はすすり泣くようにか細い艶声を出した。
さて、長谷部のムスコはどうなっているのかと前を見れば、ショーツからはみ出た先端からひっきりなしに先走りを垂らしている。とろりとした先走りは布団にシミを作っていた。
「ケツ弄られてこんなんなるとか……どんだけだよ」
少しチンコを振ってやると、どっと先走りの量が増える。俺は指に汁を絡ませると、改めて長谷部のバックに指を挿入し、少し強く振動させてやった。
「あ゛あぁぁぁぁっっ!」
引き抜こうとしても中が吸い付いてきて離れない。それでも強引に引き抜くと、すっかり綻んだ長谷部のアナルはヒクヒクとものほしそうに蠢いた。
「パクパクしてるな」
「だって、足りないんです」
「何が?」
「……中、足りない」
体を起こし、キスを強請りながら俺のムスコを扱いてくる長谷部の目が、「これが欲しい」と言っていた。
「早く、ください……主のモノを」
赤ん坊がオムツを換えるような体勢で、自ら尻たぶを開いて長谷部が誘ってくる。
ここまでされたら、据え膳食わぬはなんとやらだ。ショーツをずらして、先端を長谷部の後孔に宛がうと、ゆっくりと腰を進めた。
「は、ぁ、ぁ……おおき、い」
「これで満足か?」
「主のペニス、熱くて、大きくて――奥までキます」
一度ギリギリまで引き抜いて、今度は一息に奥まで押し込んだ。その瞬間
「あぁっ!」
長谷部の先端からびゅくりと白濁が溢れてきた。
まさかトコロテンされると思わなかったが、賢者タイムで徐々に弛緩していく体を押さえつけ、俺は一心不乱に腰を振った。ここが前立腺だとか、ここが男のポルチオだなんてわからないから、長谷部の反応に頼るしかない。
イイトコロを擦ると、長谷部の声のトーンが一段高くなる。一段高くなったら、そこを重点的に擦ってやる。もちろん、長谷部のモノを弄るのも忘れない。といっても、顔を覗かせているのが先端だけのため、そこを弄るしかないのだが……。
「すご――締め付け、キツい」
「気持ちいぃ! すごい……熱い……!」
「おまえ、先っぽ弄るとめっちゃ締まるのな」
後ろを激しく付きながら先端を弄り回していると、長谷部自身から精液でも尿でもない別の液体が噴き出してきた。
「!?」
驚いて手を離しても止まらない。まるで壊れた蛇口のように、ピストンのリズムに合わせて液体を噴き出し続ける。
「なんだこれ!?」
「あ、あぁ、申し訳ありません、んぁっ!
体質、なんです。気持ちよくなると、潮が止まらなくなってしまって……あぁっ!」
潮? 男でも潮が噴けると聞いたことはあったが見たのは初めてだ。
「なんだよ、おまえのちんこ、壊れちまったんじゃねぇの? さっきから潮噴きっぱなしじゃねーか」
「申し訳ありません……っ、申し訳……ありませんっ」
自分でモノの根元を掴んで止めようとしているが、潮は止まらない。
「おまえ、エロすぎだろ」
長谷部の一際深い所に腰を進めて、そこにたっぷり種付けしてやる。長谷部は、俺のベッドはもとより、ショーツ、メンズブラまで潮まみれにして、気を失った。
「はいはーい。ごくろうさまです」
堀川が受け取った荷物は審神者宛てだった。それほど重くはなく、品名は衣類となっている。しかし「本人以外開封厳禁」のシールが貼られていた。単なる衣類なのに妙だなと思いつつ、堀川はその荷物を審神者の元へと運んだ。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*
注文から二週間。海外製のブツがようやく届いた。これは俺からいつも頑張っている長谷部へのプレゼントだ。長谷部に似合うと思って、色は清楚な白をチョイスした。アクセントで長谷部の瞳と同じ藤色の小花があしらわれているデザインだ。きっと気に入ってくれるだろう。
どうして長谷部にプレゼントを? と思われるかもしれない。当然ながら刀剣男士に誕生日というものは在って無いようなものだ。鍛刀された日だったり銘を入れられたり、本丸に来た日だったり、それらしい日はいくつもあるのだが、”この日”と決まった日は無い。だからこれは誕生日プレゼントなどではない。ただ、俺が個人的に長谷部に贈りたいから贈るのだ。
事の発端は、三週間ほど前になる。長谷部の秘密を俺は知ってしまったのだ。
長谷部は元々一人で湯浴みに行くことが多かった。本丸の皆が寝静まった頃に独りで風呂に入っている。書類仕事などが忙しいのがその理由だろうと思っていたのだが、実際のところそうではなかったらしい。長谷部には、他の刀剣男士には見られてはまずい秘密があったのだ。
その日、俺はたまたま友人と飲み会で、帰りが遅くなってしまった。ほろ酔いで本丸に戻り、さっと風呂に入ってとっとと寝ようと大浴場に行くと、先客が居たのだ。
脱衣籠には丁寧に畳まれたカソックとシャツが入っていた。あとガーターベルトも。なるほど先客は長谷部か。こんな遅くまで仕事をしてたのかもしれない。たまには背中を流してやろうと浴場に向かう途中、不覚にも俺は床に置いてあった脱衣籠に躓いてひっくり返してしまったのだ。
慌てて散乱した衣服を籠に戻していた時、見慣れないものを発見した。
それは、ブラジャーだった。女性のものにしてはアンダーが大きくカップが小さい、なんとも奇妙な形のブラだった。
「なんだ? これ……」
本丸に女性はいない。女装しているヤツは居るが、全員男だ。ブラを装着してほしくなるようなむちむち雄っぱいの刀剣男士も居るには居るが、彼らとはサイズが合わない。
(まさか……な)
俺はある可能性を考えた。
長谷部が装着している、という可能性だ。
涼しげに整った顔立ちのストイックな男が、ブラを着けている――でも、なんのために? 長谷部はブラを着けて出陣したり遠征に行ったりしているというのだろうか? あの禁欲的な衣服の下に女性ものの下着を身に着けている……そのことを想像しただけで、不覚にも俺はムラムラしてしまった。
結局その日は風呂に入らず朝風呂を貰うことにして、俺は部屋に戻るとさっそく男性のブラジャー着用について調べ始めた。
曰く、安心感を得るために、気を引き締めるために、装着する人が多いようだ。もちろん、理由は人それぞれである。だが、長谷部に女装嗜好があるとは聞いたことが無いから、女装に興味があるから身に着けているわけではないだろう。
どんなもんだろうかと通販サイトでメンズブラを見ていると、なかなか可愛いデザインのものが多い。フリルを使った物も少なくなく、色味もパステルピンクや白などが殆どで、ドギツい赤や黒のものは数えるほどだ。
通販サイトを見ていて驚いたのだが、ブラとショーツのセットもあるらしい。あの狭い面積に男のブツが収まるのかと不安になったが、そこは男性向けランジェリーを扱う店だから上手く作ってあるのだろう。
気が付けば、サイトの商品を着用しているモデルを脳内で長谷部に変換していた。
あの長谷部が、女性もののような下着を着けて恥じらっている……これはかなりクる。普段眉間に皺を寄せて「怠慢は許さんぞ!」などと言っている男の着けている下着が、可愛いレースのブラとショーツなのだ。
気が付けば、俺はその通販サイトでメンズブラとショーツのセットを注文していた。詳しいサイズは分からないが、下から2番目ぐらいのサイズで間違いないだろう。
そして待つこと2週間――
注文していたメンズブラセットが届いたのだ。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*
風呂の後に長谷部を自室に呼び出す。
「何か御用ですか?」
「ちょっと渡したいものがあるんだ」
「! すぐに参ります!」
内線で連絡すると、文字通りすぐに長谷部がやってきた。寝ようとしていたのだろうか、着流しを着ている。
「寝るところだったか?」
「いえ、まだ報告書が書きあがっていなかったので、もう少し起きているつもりでした」
「そうか。いや、いつも頑張ってくれてるから、長谷部にちょっとプレゼントをと思ってな」
「なんと……ありがたき幸せです」
嬉しそうにする長谷部に目を閉じるように言う。長谷部がしっかり目を閉じていることを確認して、俺は彼の手にラッピングしたメンズブラセットを乗せた。
「?」
「目、開けていいよ」
長谷部が目を開ける。
「中、見てみて?」
「では、失礼して――」
丁寧にラッピングを解き、中のブツを見る。そして、長谷部は硬直した。
「あ……主……?」
「どうした? 気に入らなかった?」
「あの、これは――?」
「長谷部がいつも着けてるメンズブラだよ」
俺がにっこり笑うと、長谷部の顔からみるみる内に血の気が引いていく。そして、しまいには
「主には……主だけには知られたくありませんでした――」
とポロポロと涙を零し始めたのだ。
さすがにこんな反応をされるとは想像しておらず、俺は焦った。
「な、泣くなよ~! 俺は、メンズブラもアリだと思うぞ? 人の好みはそれぞれだからな。俺は別に長谷部がメンズブラしてても、引いたりなんてしない。長谷部は俺の大事な近侍だ」
言って頭を撫でてやると、涙で顔をぐしゃぐしゃにした長谷部が鼻をすする。
「この間脱衣所で見ちまったんだよ……。籠に躓いてひっくり返しちまって――最初見たときはびっくりしたけど、結構可愛いのも多いんだな。別に下着はどんなの身に着けようが良いと思うぞ? それで気が引き締まったり、安心したりするってんなら、良いじゃないか」
「これを身に着けると、そうなんです……気が引き締まり、戦場でもよく動けるんです」
「長谷部の誉は、メンズブラの支えがあってこそだったんだな。でもあんな味気ないデザインのじゃなくて、もっと可愛いやつも着けてみたら良いんじゃないか? きっと似合う」
すると長谷部が「早速、着けてみても良いですか?」と袋の中から俺の選んだメンズブラを取り出した。
「もちろん!」
「では、失礼します」
するりと着流しの帯を解くと、それまで身に着けていた白い無地のメンズブラを外し、新品のものに腕を通す。少し上半身を前に傾けて背中のホックを留める仕草がやけにエロく感じた。
「どうだ?」
「いつものものよりも肌触りが良くて、しっくりきます」
長谷部が嬉しそうに笑う。白い肌にレースのブラがよく似合っていた。
「よく似合ってる」
俺が褒めると、少し顔を赤らめるのが可愛らしい。
「ショーツも履いてみたら?」
「ショーツはさすがに……」
「せっかくセットで買ったんだから、見せて?」
「……わかりました。では、少し後ろを向いていてくださいませんか? 目の前でショーツを履くのは恥ずかしいので」
言われたとおりに後ろを向く。
「良いですよ」
言われて振り返ると、そこには可愛らしい長谷部が立っていた。
しっかりと筋肉が付いている体に、白いレースのあしらわれたブラジャーと同じ柄のショーツを履いている。ショーツは少しキツかったのか、ブツが収まっているところはやけに膨らんでいてそれが非常にエロかった。
「キツかったか?」
「いえ、これぐらいのほうが俺は好みです」
決して豊満ではない胸に宛がわれた小さな布がいやらしい。見ているうちにだんだん変な気分になってくる。
「主?」
「なんかその……エロいな、その恰好」
そっと長谷部に近寄って腰を抱き寄せ、顎を掬って唇を合わせる。
「んっ!?」
長谷部が腕で体を押して抵抗してくるが離してやらない。長谷部の唇は薄くて、少しカサカサしていた。
「主……っ」
「もうちょっとよく見せて?」
半ば強引に長谷部をベッドに押し倒すと、優しくショーツの上から股間を撫でてみた。
「あれ? もう硬くなってる?」
「くっ……」
長谷部のそこはすでに緩く勃起していて、小さなショーツの中でどんどん存在感を増してきていた。
「感じてんの?」
「感じてなど――」
「その割には、ここ大きくなってんじゃん? やらしいな。可愛い下着着て、感じちゃった?」
ショーツの中に手を入れてチンポジを直してやると、立ち上がった長谷部の先端がショーツから頭を覗かせた。少し先端を弄ってやるだけで、ピクピクして可愛らしい。弄っているうちにだんだん愛しくなってきて、思わず亀頭だけを口に含んでみた。
「ひゃっ!?」
「あ、わりと平気かもしんないわ」
男のブツを舐めるなんて考えてもみなかったが、実際やってみると全然抵抗は無い。
尿道口を舌先でくじりながら吸ってやると、長谷部のモノはどんどん大きくなった。
先端だけを散々弄られるのが辛いのだろうか、長谷部が俺の頭をやんわり掴んで制止してくる。
「嫌か?」
「もう、それ以上されたら……イッてしまいます。気持ちよすぎて、辛い……」
潤んだ目で言う長谷部を抱きしめてキスをする。すると長谷部が俺の背中に腕を回してきた。
「主――好きです……好き、なんです」
「長谷部……」
優しく体を撫でていると、長谷部がむずがるような声を出しながら、腰をくねらせ始めた。
「どうした?」
「中……足りない……」
「中?」
「腹の中が、物足りないんです」
その瞬間、ぐるりと体が反転する。気が付けば俺は見事に長谷部に伸し掛かられ、体勢が逆転していた。
「ちょ、長谷部!? 長谷、んむっ!?」
貪るようなキスをされ、手早く服を脱がされる。長谷部は緩く兆していた俺のムスコに気が付くと、嬉しそうな溜息を吐いて俺の下着を一気に引き下ろした。
「ぎゃー!」
「大きくて、可愛い」
ちゅっちゅっと挨拶するように先端にキスをしてから、丁寧に裏筋を舐められる。根元から先端にかけて丁寧に。時々カリを小刻みにぺろぺろされれば、今まで感じたことの無い快感に腰が跳ねた。
「気持ち、いぃれふか?」
やけに慣れた調子で口淫される。刺激されれば勃ってしまうのは男の性だ。
長谷部は手を使わずに俺のムスコを舐めながら、そっとショーツの中に手を入れる。
「んぁ……ちゅむ、んむ……」
だが、自分自身を扱いている様子ではない。
「おまえ、何してんの?」
荒い息とくちゅくちゅという水音だけが聞こえてくる。
「え? もしかして……?」
体を起こして見れば、長谷部が自分の後孔を弄っているのが見えた。
「マジかよ……」
「ごめんなさい……ごめんなさい主……」
普段澄ました顔をしているやつがこんなにエロいとは思わなかった。
「よく見せて」
俺は長谷部の後ろに回ると、ショーツをずらして長谷部の指が入っているそこを凝視した。
つるっとしていて毛なんて一本も生えていない。少しだけ縦に広がっている後孔は、肛門というよりも性器の印象に近かった。指を2本銜え込んでヒクついている。
「気持ちいいの?」
「気持ち、いいです――でも、足りません」
「足りないんだ? ヒクヒクさせて、やらしいな」
ふうっと息を吹きかけると、長谷部が甘ったるい声を上げる。
「今の声、エロい」
「だって……」
ゆっくり指先を出し入れしながら長谷部がうらめしそうに振り向く。
「おしりの穴が感じるなんて、変態だな」
言いながら、2本の指をくわえているそこに俺の人差し指を挿入してやると、長谷部の腰が面白いほど跳ねた。
「あぁぁあっっ!」
「うわ、すげ……どんどん入ってく――」
ずっぷりと根元まで指を埋め込んで、うねる中を少しだけ掻いてやる。
「あ、あ、そこ! そこ、気持ちいぃ……もっと激しくしてください」
後孔から長谷部の指を抜き、今度は俺の指を2本突っ込む。簡単に俺の指を根元まで咥え込むと、長谷部はすすり泣くようにか細い艶声を出した。
さて、長谷部のムスコはどうなっているのかと前を見れば、ショーツからはみ出た先端からひっきりなしに先走りを垂らしている。とろりとした先走りは布団にシミを作っていた。
「ケツ弄られてこんなんなるとか……どんだけだよ」
少しチンコを振ってやると、どっと先走りの量が増える。俺は指に汁を絡ませると、改めて長谷部のバックに指を挿入し、少し強く振動させてやった。
「あ゛あぁぁぁぁっっ!」
引き抜こうとしても中が吸い付いてきて離れない。それでも強引に引き抜くと、すっかり綻んだ長谷部のアナルはヒクヒクとものほしそうに蠢いた。
「パクパクしてるな」
「だって、足りないんです」
「何が?」
「……中、足りない」
体を起こし、キスを強請りながら俺のムスコを扱いてくる長谷部の目が、「これが欲しい」と言っていた。
「早く、ください……主のモノを」
赤ん坊がオムツを換えるような体勢で、自ら尻たぶを開いて長谷部が誘ってくる。
ここまでされたら、据え膳食わぬはなんとやらだ。ショーツをずらして、先端を長谷部の後孔に宛がうと、ゆっくりと腰を進めた。
「は、ぁ、ぁ……おおき、い」
「これで満足か?」
「主のペニス、熱くて、大きくて――奥までキます」
一度ギリギリまで引き抜いて、今度は一息に奥まで押し込んだ。その瞬間
「あぁっ!」
長谷部の先端からびゅくりと白濁が溢れてきた。
まさかトコロテンされると思わなかったが、賢者タイムで徐々に弛緩していく体を押さえつけ、俺は一心不乱に腰を振った。ここが前立腺だとか、ここが男のポルチオだなんてわからないから、長谷部の反応に頼るしかない。
イイトコロを擦ると、長谷部の声のトーンが一段高くなる。一段高くなったら、そこを重点的に擦ってやる。もちろん、長谷部のモノを弄るのも忘れない。といっても、顔を覗かせているのが先端だけのため、そこを弄るしかないのだが……。
「すご――締め付け、キツい」
「気持ちいぃ! すごい……熱い……!」
「おまえ、先っぽ弄るとめっちゃ締まるのな」
後ろを激しく付きながら先端を弄り回していると、長谷部自身から精液でも尿でもない別の液体が噴き出してきた。
「!?」
驚いて手を離しても止まらない。まるで壊れた蛇口のように、ピストンのリズムに合わせて液体を噴き出し続ける。
「なんだこれ!?」
「あ、あぁ、申し訳ありません、んぁっ!
体質、なんです。気持ちよくなると、潮が止まらなくなってしまって……あぁっ!」
潮? 男でも潮が噴けると聞いたことはあったが見たのは初めてだ。
「なんだよ、おまえのちんこ、壊れちまったんじゃねぇの? さっきから潮噴きっぱなしじゃねーか」
「申し訳ありません……っ、申し訳……ありませんっ」
自分でモノの根元を掴んで止めようとしているが、潮は止まらない。
「おまえ、エロすぎだろ」
長谷部の一際深い所に腰を進めて、そこにたっぷり種付けしてやる。長谷部は、俺のベッドはもとより、ショーツ、メンズブラまで潮まみれにして、気を失った。