「お誕生日おめでとうございます」
その島の住人からそう言われて思い出した。
今日は自分の誕生日だった事を。
その島の住人からそう言われて思い出した。
今日は自分の誕生日だった事を。
オレも、共に暮らしているジャスティンもいつも色々な場所に…
オレは虫でジャスティンは魚を求めに行っているから、そういった記念日への意識が薄れていたのかもしれない。
家にいる時間と他所に行っている時間はどちらが長い?今日のジャスティンは地球の真反対側にいる。
なんなら誕生日だって覚えていても確実にこうして他所の島に行っていた。
誕生日プレゼントが欲しいならいつも通りムシの買い取りに行った方がいいから。
「ああ、ありがとう」
「万全でない、少々とっちらかった島で誕生日を迎えさせてしまって申し訳ないです」
「いや、かまわないよ」
本当にかまわないんだ。
ムシと出会えればそれでいい。
直接見かけても、売り手に渡すものでも。
直接見かけた時に目の前から去られた時は悲しい。
くやしい事だが、自分がムシを見つけられる確率より人から買い取る方が出会える確率が高い。運命のムシに。
運命の出会いを求めるなら自分の手で、と言うヒトもいるが、オレは欲しいと思った時点で運命は始まっていると思う。
ジャスティンは「品質」重視で、腕試しなどで人を試して、「より良いもの」に拘っているみたいだったが、オレとしては早くムシについて話を進めたい。
ムシ以外に語れる話なんて持ってない。
強いて言うならー
「見てください。今日はレックスさんのためにたくさんムシをとってきたんです。しかも…今日は特別な島で見つけたマクガフィンも」
「マクガフィンだって!?」
マクガフィンなんて、そんな大層なものを…このヒトは売ってくれるだろうか?
「ムシはいつもレックスさんにだけ渡すと決めているんですが…これをバースデープレゼントとします」
バースデープレゼント?オレのために?
何て優しいヒトなんだ。
「ただし…レックスさんが良ければなんですけど…条件を持ち掛けてもいいですか?」
条件?
経緯次第ではベル以外の対価も求めるということか?
…ベル以外の対価なんて…
「朝5時に去られるんですよね?なら泊まっていきませんか?」
「…泊まる?」
ここの島において宿泊施設はテントを建てるしか無いようだったが。
「いつも泊まるところもないご様子ですよね?"配信"などでもお疲れみたいですし、モノ足りなければ僕が外に出て虫を捕まえますし…この島で今日捕まえられるムシもあらかたお迎えしました」
いや、ちょっと待ってくれ。
配信の話を持ち出してくるなんて。
「罠」のつもりなんだろうか。
合意で罠にかけようとしているのか。
このヒトは「テントを建てて」ほしいのか?
こんな見え透いたような事、普通ならば乗るものじゃない、というのが本来の常識だ。
けれど、バースデープレゼントでオレも少なからず浮かれていたのかもしれない。
「そういうことなら先に引き取らせて欲しい。時間をかけたいんだろう。夜は長いんだ。」
島民代表視点
レックスを自分の家に案内する。
「それで」
レックスが切り出す。
「配信と同じような事をやってほしいんだね」
「そうですね」
ここまで持ち込めたんだから、そりゃあそうだ。いくらスーパーチャットを送ったと思ってる。
「でも、それだと…ここを汚してしまわないかが心配になるよ」
それくらいで怯むなら、わざわざここに計画的に呼んでない。
「その心配はしないでください。掃除の手筈は整ってるので。ここなら…いくらでも」
家の前に立て札も立てた。『工事中』
防音も完璧。
「…そうか」
毎週定期的に来るものの、何曜日に来るかわからない中でわざわざ誕生日に来てくれたんだ。彼の誕生日記念、こちらとしても記念すべき日にしないとな。
レックス視点
この島の島民代表さんに部屋に招かれた。
この島の正式な宿泊施設はキャンプサイトのみで、ここはあくまで彼個人の家のようだが、まるで本当の商業施設のホテルのように清潔に整えられた屋内だった。
…案内された部屋は照明の色合いが少々派手にも思えるが。
2人とも服を脱ぎながら準備を進める。
オレは先にベッドの上に座らせられた。
彼が録画をしたいそうなので、部屋の入り口近くに三脚で立てたビデオカメラが置かれていた。
行為のために、
いつも通り、興奮するための材料を摂取する。
自分達にとっておなじみの万能薬(おくすり)の配合を少し変えて摂取する薬物。
いつもと違うのは、この家にオレを招いたー
この島の島民代表さんの部屋で行うということ。
まさか珍しく誕生日を意識した日にこう過ごすことになるとは。
「ていうかそれ、セックスドラッグですか?」
島民代表さんがそう尋ねてきた。やや引きつっている様子の面持ちで。
「…危険な物ではないよ。現にオレは健康に問題が無い」
そう答えたが、彼を安心させられたかはわからない。使うのはオレだけだし、そんなに心配することも無いと思うが。
ここの人には薬物が身近ではないんだろうか。法律上は問題無いはずなんだが。
それにしても、子供のようにも見えた彼の肉体は初めて見たが、どうやらよく鍛えられた、なかなか逞しく引き締まった肉体をしているようだった。
服の上からではわからなかった。
さすがあれだけのムシをオレのために用意できる動体視力の持ち主だ。
あの体の持ち主の相手をこれからするんだな。
胸が高鳴るのは前準備で摂取したもののせいだけじゃない。
「どうしてほしい、なんてあるかな」
「ええと…一応、ここにやりたい事をメモしておいたんですが…」
もじもじと、恥ずかしそうに紙を渡される。
「ダメなものがあったら言ってください。そこは絶対やりませんので」
それに目を通す。全部目を通した。読み終わったので返答する。
「…NGは無いよ」
「本当ですか?」
「本当だよ」
これらの要求を飲むとこれから少々ハードになりそうだが、
命に関わる要求は無いのでよかった。
そうしてやる事が決まったその瞬間、
頬を勢いよく平手打ちされた。
その勢いでベッドの上に倒れ込まされると、臍の下を踵でぐりぐりと執拗に踏まれ、押されていく。
尻の中に仕舞いこんでいたディルドを抜かれた。
「ええと、どっちにも入るんですよね。前準備無しで。いや、準備は常にレックスさん自身がやってきてるんですよね。いつも事前みたいなものだから」
内臓へ強めに外部刺激を与えられると、すぐにその気になってしまう。
そういう意味では外から打たれるのも中から突き上げられるのも堪らない。
もしそれで内臓がイカれても正規品の特効薬でどうにかなるが、幸い彼はとても上手かった。
特効薬の出番も無さそうだ。
彼は俺の腹の上に自分の一物を俺の腹の上に乗せてきた。「ここまで入る」と言わんばかりに。そこまで届くことの方が珍しい。
自分にはスリットと尻穴と、二つ挿入できる穴があるが、そういった物がない種族のヒトにとっては好奇の対象であるようだった。
反面彼は…
霊長類の中でもナニの大きさが頭抜けている種族だそうだが、その中でも…さらに大きくないか?
これで体内の壁を抉られたら…どうなるんだ?
彼はこちらのスリットを指で縦になぞり、隙間をこじ開けた。とりあえずそこに挿入したいみたいだった。
自分の中に仕舞われていたヘミペニスが自分の意思に関係なく体の奥からずるりと出るのを感じる。
「スリットから出てくると、なんか肥大したクリトリスみたいですね。しかも2つ」
ぐちゅっ、と彼が指を入れると、自分のスリットから恥ずかしいくらい淫らな水音が響いてくる。最初一本試しに入れたような指からすぐに捻じ込む指の本数を増やされ、容易く入る。
「感度が落ちてなくてよかったです。やりすぎてガバガバになって鈍くなってたら萎えてたので助かりました」
そう言いながら胸元に舌を伸ばし、ピアスで貫いていたこちらの乳頭を舌で刺激してきた。
思わず不意を打たれた無防備な声をあげてしまう。
更に彼は追撃するように舐めてきて、
オレと違って骨が入っていない舌は、柔らかさと硬さを交互に使い分けてきて、わけがわからなくなってくる。
オレは向かい合わせの姿勢で彼の男根の上に腰を落とすように言われ、焦らしているのか焦らされてるのかわからないようなペースで、スリットに彼の肉棒を捻じ込まれていった。
ごりごりと、抉られている感触、体内がみっちり彼の男根でいっぱいになっているように感じる。
彼のどこで身につけたかわからない腕力で組み敷かれ、
このまま壊されてしまうんじゃないかというスリルがぞくぞくする。
いつもこんな綱渡りのようなことばかりしている気がする。
命綱があったかどうかは終わってみないとわからない。
自分の腰を両脇から掴まれながらいともたやすく持ち上げられ、ずぷりずぷりと熱した鉄のような彼の肉棒が激しくスリットの中で擦られている。
自分の薄い腹の皮膚が、内側から責めてくる彼の肉棒でごり、ごりと皮一枚隔てて隆起させられている。。
自分が精子採取装置用ホルダー(オナホール)にでもされてるみたいだ。
彼の肉棒のケースにされてる。
自分のスリットの中身の肉がぢゅううっ、と彼の男根の吸い付いており、ナカが彼の男根の形に作り替えられていきそうだった。
すると彼の手はオレの首へと伸ばされ、オレの首を絞め始めた。
ただでさえ彼のエネルギッシュなペースに飲み込まれそうなのに、到底振りほどけないオレの息の根を止めんばかりの絞めに、完全に思考力を奪われる。
酸欠を伴う性行為は馬鹿みたいな快楽を呼ぶ。洒落にならず、魂が飛びそうなくらい。視界がめちゃくちゃになって、流れ星のようなものが散ってきた。
彼の無遠慮な責めに、まともな呼吸すらおぼつかなくなって、
酸素を拾うので精一杯だ。
下が柔らかいベッドだから良かったものの、
硬い床だったりしたら確実に脳震盪を起こしていたといった位に突き上げられ、強く掴まれて、持ち上げられながら激しく揺すられる。
終わったらしばらく彼の手の跡が皮膚のあちこちに残ってそうだ。
何度も意識が飛んで、何もわからなくなっていって、
気がつけば自分は潮を吹いてしまっているようだった。来た時には清潔に確実にカラカラに乾いていたのシーツが潮だか自分たちの汗だかわからない水分でびしゃびしゃになっており、膝をついた瞬間にぐじゅり、と水気のある音が鳴った。
とんだ粗相だが、部屋が汚れてもいいと言った彼の覚悟に見合っているだろうか?
その後、彼の上に跨らせられた後、杭を打つように騎乗位をしながら、自分の好みの嗜好を語るように求められた。
知ってるか?毒のあるムシに陰部の粘膜を刺すように誘導し、
狙い通りに刺させる事ができたら絶頂する文化があるらしいんだ。
幸い、万能薬があるからどこをどう刺されても完治させられるな。完治させる瞬間は惜しい気持ちになるけれど。
でもその場合は蚊やノミがいいよ。ヒトのエゴでハチにそうやって刺させて命を賭けさせるなんて信条に反する。オレの血を捧げたい。自分の敏感な部分が彼らのおかげで腫れ上がって痒くなるなんて考えただけでイキそうなくらいゾクゾクする。
下唇の裏を蚊に刺された珍しい体験をした人の話を聞いたことがあるんだけど、羨ましいな。
ぜひっ、オレも…
純度の高いものを飲みながら大音量のクラシックを聴きながらムシの模型を作るのは何時もとてもいい気分なんだ。
だとか何とか言ったような記憶がある。
こんなに目まぐるしいクラクラするような激しい行為をしているのに、いつもより言葉がすらすら出てくるような気がするのは、このアレンジ特効薬のおかげだろうか。
自分もたいがいだが、彼の精力は尽きないんだろうか?
普段ならここで誰かと交代して撮影を続行するのに。
体位を変えられて次はバックで突かれることになった。
自分のさっきまでディルドを入れっぱなしだった尻穴がひくひくしているのをみられていると思うと羞恥と高揚が体の底から湧き上がった。
その上彼は尻肉をがっしり掴んできた。ただでさえじっくり見られる事を躊躇っていた尻穴を更に晒すように両側から広げられる。
ぢゅぷっ、とまた改めてスリットの割れ目に肉棒を当てられて、全身がびくっ、と反応する。その際に一緒に伸びた自分の尾が彼の胴体に軽く当たった。イッたりするとどうしても尾に表れて隠せない恥ずかしさ。
新たな体勢でピストンを再開される。先程の仰向けや向かい合わせとは違う当たり方をするので、もっと欲しくなってしまう。
尾の付け根を時々撫でられて、心から快楽を隠せない声が出てしまった。
一通りバックで突いて気が済んでザーメンと粘液でドロドロになったスリットから抜き出したと思いきや、その挿入していたものをオレにしっかり舐め取るように命じてきた。自分の体内の熱と彼の肉棒が発してる熱が合わさったむわっと湿度の高いものを槍でも見せるように顔に近付けられ、自分の顔まで熱せられるようだった。
あれだけ精液を出したのに、まだぐつぐつの熱い血が赤黒い竿の中でドクドク脈打っているようでオス臭さを漂わせながら且つまるで硬度が落ちておらず、圧倒された。
ギンギンに漲っている彼のそれを舌でねぶりつつ、手は睾丸に伸ばした。
こんな風にねぶってたらこちらの顔に自分には無い陰毛がつきそうだ。
そして喉奥にぶち込まれ、イラマチオの状態へと持ち込まれる。
口や喉までもを性器にされたようだった。太くて長い肉棒が舌や硬口蓋や軟口蓋を擦って喉にズルズルヌルヌルと突っ込んで
自分の口の中、体内を、チンポを扱く膣扱いされるのを実感するとまたひどく興奮するし、ノーハンドの股ぐらが勝手に反応して自分の肥大クリトリス扱いされた部分の尿道口がべちゃべちゃになる。
咳き込まないようにしたつもりだったが、喉奥から抜き出された時には彼の規格外のものではさすがに胃液と混ざった精液がリバースしそうになってしまった。
(全て吐くのは免れたが、顔中が自分から出た生理的に出た液体だらけになってしまった)
そしたらソレが潤滑油代わりになったとばかりに、彼は尻穴にも入れてきた。
先程彼にディルドを引き抜かれて心許なく閉じなくなっていた尻穴が欲しいものを与えられたように受け入れていた。
もし彼さえ良ければ腕も入れてほしくなる。誕生日のプレゼントとしてねだりってみたい。
先程スリットをごりごりと抉られていた感触と尻穴に今まさにブチ込まれている感触が合わさって、自分の体の芯が挟み撃ちになっていた。彼はオレの乳首をカリカリと刺激してきて、オレは思わずスリットから出てる自分のモノを手で押さえた。あっという間に手がドロドロになった。
また腹の皮膚が体の内側から隆起させられ、更に彼は隆起した部分を…つまりオレの皮膚越しに自分の性器の先を掴んでいるようで、オレからしたら内側からも外側からも同時に責めを受けている状態だった。
意識が無くなったり戻ったりを繰り返しているようで、あれ?時間はどれくらい経った?と我に返ろうとするとまた時間が飛んでいるみたいだった。
そうした混乱を繰り返した果てのフィニッシュ時には彼の手指が、自分の肉に食い込むのを感じていた。
自分より筋肉量のある男の腕が自分の全身を締め付けてくるのを感じる。息の根を止められてしまいそうだ。
イッた途端に自分の脚と尾が反射的にぴんと真っ直ぐに伸びたのがはっきりと感覚できる。
爪先と尾の先まで電気が通っていくようにしびれ、浮いてるみたいな状態になってしまうのが、いつも思考が途切れない頭の中が真っ白になるので酷いくらいに刺激的だ。
オレの新たな一年の幕開けは、ひどく淫蕩だった。