首筋に柔らかな感触と、直後にちくりと小さな痛み。
「…っ、あっ」
ロムは瞬時にその原因に思い当たり、がばっと身を起こした。
そしてテーブルにあった鏡を乱暴に取る。
「…シュウ」
やはり、そこにはくっきりと赤い跡。
「キスマーク付けんなって言ってんだろ!しかも今噛んだろ!」
ぶん、と枕を投げて憤慨するロム。
「そんな強く付けてないしー、それにしばらくライブ無いでしょ」
ロムの怒りなどはどこ吹く風、ひらりと枕をかわして答えるシュウは既にシャツを羽織り始めている。
「そーゆー問題じゃない!」
「じゃあどーゆー問題?」
そう問われるとぐっと言葉に詰まってしまい、ロムはむくれながら顔を逸らした。
そうしている間にシュウは部屋を出て行ってしまったので、ロムは仕方なしに再び鏡を覗き込む。
赤い跡は褐色の肌でも一目で気付く程に存在を主張している。
「なに、そんなに気になる?」
程なくしてシュウがコーヒーの入ったマグカップを両手に持ち部屋に戻ってきた。
それをテーブルに置くとロムの隣に腰を下ろす。
羽織っただけのシャツから覗く白い肌に自分はどれ程気を遣っているか知りもしないで、とロムは横目にシュウを見る。
「…腑に落ちねぇ」
鏡をテーブルに戻しながら、ロムはぽつりと呟いた。
「何が?」
首を傾げるシュウをきっと睨み付けるロム。
何がと言いながらまったく何がと思っていないような、この余裕が腹立たしいのだ。
「…シュウもたまには困ってみろ」
そう言うとロムはシュウのシャツに手を掛け、肌に唇を寄せる。
「ロム…?、…っ」
シュウの美しく浮き上がる鎖骨のやや下に舌を這わせ、少し強く吸い上げる。
そしてその部分を軽く噛み、ちぎるように口を離す。
するとそこにはロムのそれよりも鮮明に赤い跡が残った。
しかしロムはそれでは飽き足らないのか、首筋や胸にも同じように跡を付けていく。
「ちょ…ロムっ」
しびれを切らしたシュウは強引にロムを引きはがし、その勢いのまま押し倒す格好になる。
そして自らの跡が残る首筋に噛み付き、強く大きく舌を這わせる。
「っ…こら…シュウ…」
今しがた一度しているのに、またも身体は正直に反応する。
「もーダメ…キスマークの付け方気持ち良すぎ…、ねぇ、もっかいしよ…」
僅かに呼吸が上がり、熱っぽい声でロムの耳元に囁くシュウ。
「コーヒー冷めるんじゃねぇの」
「また入れ直すよ」
そう言うとシュウはロムの肌に新たな赤い跡を付け始めた。
好き放題させるかとばかりに、ロムもまたシュウの肢体に手を這わせる。
コーヒーの香りに包まれて。
翌日、鏡を見た二人が同時に絶句したのは言うまでもない。
「…っ、あっ」
ロムは瞬時にその原因に思い当たり、がばっと身を起こした。
そしてテーブルにあった鏡を乱暴に取る。
「…シュウ」
やはり、そこにはくっきりと赤い跡。
「キスマーク付けんなって言ってんだろ!しかも今噛んだろ!」
ぶん、と枕を投げて憤慨するロム。
「そんな強く付けてないしー、それにしばらくライブ無いでしょ」
ロムの怒りなどはどこ吹く風、ひらりと枕をかわして答えるシュウは既にシャツを羽織り始めている。
「そーゆー問題じゃない!」
「じゃあどーゆー問題?」
そう問われるとぐっと言葉に詰まってしまい、ロムはむくれながら顔を逸らした。
そうしている間にシュウは部屋を出て行ってしまったので、ロムは仕方なしに再び鏡を覗き込む。
赤い跡は褐色の肌でも一目で気付く程に存在を主張している。
「なに、そんなに気になる?」
程なくしてシュウがコーヒーの入ったマグカップを両手に持ち部屋に戻ってきた。
それをテーブルに置くとロムの隣に腰を下ろす。
羽織っただけのシャツから覗く白い肌に自分はどれ程気を遣っているか知りもしないで、とロムは横目にシュウを見る。
「…腑に落ちねぇ」
鏡をテーブルに戻しながら、ロムはぽつりと呟いた。
「何が?」
首を傾げるシュウをきっと睨み付けるロム。
何がと言いながらまったく何がと思っていないような、この余裕が腹立たしいのだ。
「…シュウもたまには困ってみろ」
そう言うとロムはシュウのシャツに手を掛け、肌に唇を寄せる。
「ロム…?、…っ」
シュウの美しく浮き上がる鎖骨のやや下に舌を這わせ、少し強く吸い上げる。
そしてその部分を軽く噛み、ちぎるように口を離す。
するとそこにはロムのそれよりも鮮明に赤い跡が残った。
しかしロムはそれでは飽き足らないのか、首筋や胸にも同じように跡を付けていく。
「ちょ…ロムっ」
しびれを切らしたシュウは強引にロムを引きはがし、その勢いのまま押し倒す格好になる。
そして自らの跡が残る首筋に噛み付き、強く大きく舌を這わせる。
「っ…こら…シュウ…」
今しがた一度しているのに、またも身体は正直に反応する。
「もーダメ…キスマークの付け方気持ち良すぎ…、ねぇ、もっかいしよ…」
僅かに呼吸が上がり、熱っぽい声でロムの耳元に囁くシュウ。
「コーヒー冷めるんじゃねぇの」
「また入れ直すよ」
そう言うとシュウはロムの肌に新たな赤い跡を付け始めた。
好き放題させるかとばかりに、ロムもまたシュウの肢体に手を這わせる。
コーヒーの香りに包まれて。
翌日、鏡を見た二人が同時に絶句したのは言うまでもない。